ちょっと詳しい 捻挫について
「バレーボールの練習中、ジャンプして着地の際にチームメイトの足を踏んづけた拍子に右足を捻ってしまったのですが…」
捻挫とは、字の如くひねったり、くじいたりということですが、ではひねったり、くじいた際にどこを傷めているのでしょうか?ピンと来ない方が多いのではないでしょうか。
靱帯損傷。新聞などでスポーツ選手が怪我をした時などに目にしたことがある言葉だと思います。結構な怪我だなと思われると思います。では靭帯ってどこにあるのでしょうか?(ちょっと下に答えがあります。)
捻挫と靱帯損傷ですが、実はこんな関係があります。
関節の構造について ~ 骨と骨で関節?
捻挫についてお話しするために、まず簡単に関節の構造の説明をします。



関節は骨と骨、2本の骨だけでなく、その2本の骨を取り巻く組織から構成されています。 関節包は関節を覆い袋状になっており、その内面の滑膜から関節液を出して関節軟骨を養っています。 関節包のみでは弱いので、外側からは靭帯が強力に補強しています。靭帯は例えると生ゴムのような組織です。 関節はがっちりと合わさっているわけではなく、自動車のハンドルのアソビのように、ある程度動きにゆとり(許容範囲)を持っています。
捻挫の定義 ~ 捻挫はどこを傷めているのか
上で、ひねったり、くじいた際にどこを傷めているのでしょうと書きました。その答えです。捻挫はこのように定義されています。
「骨と骨の間に起こる急激なねじれ、あるいは何らかの激しい力が働いて関節周辺の関節包や靭帯が損傷すること。」
ひねったり、くじいたりというのは、具体的には関節の普通に動かせる範囲(生理的可動域といいます)を越えるような運動を強制されたということになります。
捻挫と脱臼の違い ~ その違いは?
脱臼というと、骨がはずれたというイメージの方が多いと思います。ではなぜ骨がはずれるのでしょうか?
捻挫と同じく脱臼も生理的可動域を越えるような運動を強制されることによって起こります。捻挫は受傷時に関節包や靭帯が損傷しますが、関節を構成する2本の骨の位置関係は受傷前と受傷後を比較して変化ないのに対して、脱臼は受傷時に関節包や靭帯を損傷し、なおかつ関節を構成する2本の骨の位置関係が受傷前と受傷後を比較すると変化しています。
今までのことをまとめると、捻挫は靭帯などを損傷しているけれど、脱臼のように骨ははずれていない怪我であると言えます。
捻挫の程度と捻挫の症状 ~ 捻挫はこのように分類されます
捻挫の程度は、靭帯、関節包の損傷の度合いで第1度、第2度、第3度に分類されます。
- 第1度 靭帯の一部線維の断裂。関節包は温存されている。
- 痛み、腫れも少なく、関節の曲げ伸ばしもそれほど問題なくできる状態です。
- 第2度 靭帯の部分断裂。関節包も損傷されることが多い。
- 動かした時や押さえた時に痛みがあり、腫れています。痛みと腫れのため、関節の曲げ伸ばしがしにくくなったり、逆に生理的可動域を越えて動いたりします(軽度の異常可動性)。また、関節の中に出血を認める場合もあります。
- 第3度 靭帯の完全断裂。関節包断裂を伴う。
- 動かした時や押さえた時に激しい痛みがあり、著しく腫れています。激しい痛みと著しい腫れのため、関節の曲げ伸ばしができなかったり、逆に著しく生理的可動域を越えて動いたりします(重度の異常可動性)。また、関節の不安定性がみられたり、関節の中に著しい出血を認める場合もあります。
- 第3度では、専門医にて手術適応となります。
もしも、捻挫をしてしまった時の応急処置
運動中に捻挫する場合が多いと思いますが、何か違和感を感じた時点で、できるだけ速やかに運動を中止して下さい。何だ、当たり前のことを言ってるよと思われるかもしれませんが、私の経験上、8割以上の方がそのまま運動を継続してしまいます。
その場でできるのであればその場でRICE処置を行って下さい。RICE処置は早ければ早いにこしたことはありません。その場では無理な場合は帰宅後でも大丈夫です。このようにきちんとRICE処置ができていれば、その後に医療機関に行った際に褒めてもらえるはずです。私なら褒めます。
捻挫をして腫れや痛みが強い時に、お風呂で長湯をするなど患部を温めることは厳禁です。
捻挫の場合、動かした際の痛みのためだけでなく、腫れのために関節の曲げ伸ばしが制限されます。ですから、できるだけその腫れを最低限に抑えること、できるだけ腫れを引かせる努力をすることが重要になります。そのための応急処置です。
捻挫後のスケジュール ~ このようにして運動復帰を目指します
比較的多くみられる足首を捻挫した場合を例に説明します。
- 第1ステージ 腫れや痛みを引かせる
- RICE処置を主に、腫れや痛みを引かせることを最優先とします。
- 必要があれば松葉杖を使い足に体重をかけないようにします。
- 動かせるのであれば無理のない範囲で足の指を動かして下さい。
- 第2ステージ 足首を前後に動かせるようにする
- 第1ステージでは腫れや痛みを引かせることを最優先にしていたため、どうしても動きを制限する期間ができます。
- そのためすねやふくらはぎなどの筋肉の動きが悪くなってしまいます。その動きを元に戻していきます。
- また、腫れや痛みも大分引いてきているので、少しずつ足に体重をかける練習も始めます。
- 第3ステージ 足首をかえす動きを元に戻す
- 足首を動かせなくて悪くなった動きや、落ちてしまった筋力を元に戻すためのトレーニングやストレッチが主になります。
- 足首の痛みと相談しながら進めていきます。
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- 普通に歩けるようにする
- 踵をつく⇒足裏全体をつく⇒踵が浮く⇒爪先が離れるという歩き方で、しっかりと体重をかけても足首に痛みが出ないようにトレーニングやストレッチをします。
- 最初はできるだけ平らな道を選んで下さい。普段なら気にも留めないような微妙な道の傾斜のせいで足首に痛みが出る場合があります。また、最初は歩幅を無理に広くしないで下さい。
- 軽く走れるようにする
- 足が地面につく、爪先で地面を蹴っても痛みが出ないようにトレーニングやストレッチをします。
- 最初はまっすぐ、歩くスピードよりほんの少し速い位からがいいと思います。(歩くことと走ることの違いは、歩く時はいつもどちらかの足が地面についているのに対し、走る時は両足が地面から浮いている時間ができることです。その分、足への負担が増します。)
- ダッシュ、ジャンプできるようにする
- RICE処置のところでも書きましたが、足をひねる場合、外くるぶしの方が内くるぶしよりも低い位置にあるため、内がえしにひねります。横方向への素早い動きでも痛みが出ないようにトレーニングやストレッチをします。
- 普通に歩けるようにする
こんなリハビリ方法もあります ~ リハビリ器具を自作してトレーニングする
ここでは誰でも簡単・手軽に自作できるリハビリ器具を使って、ふくらはぎの肉離れ後の関節可動域・筋力改善トレーニング方法を紹介します。
上記スケジュールの第2ステージから、このトレーニングを行います。
以下では、右足首を内がえしに捻って負傷したものとして説明していきます。
- ステップ1 椅子に座って、両足でのトレーニング
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- 足は若干開いて、正面から見て爪先と膝が一直線上に並ぶようにします。
- 足を後ろに動かすトレーニングのために若干浅めに座ります。
- 両足を板の上に。この時右の足裏全面がつく位置まで、左足で板を動かして下さい。
- 最初は左足だけで板を動かし、右足は乗せておくだけです。(右足は左足によって動かされている状態です。)
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- 右の足裏をしっかりとつけた状態で、左足でまっすぐ前後に動かします。
- 右の足裏が浮くまで動かす必要はありません。
- この運動をしても痛みがなくなってきたら、次の運動です。
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- 右の足裏をしっかりとつけた状態で、左足で左に動かし、元の位置まで戻します。
- 右の足裏が浮かないようにして下さい。
- ただし、無理に右足を板に押し付ける必要はありません。
- この運動をしても痛みがなくなってきたら、右に動かす運動です。
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- 右の足裏をしっかりとつけた状態で、左足で右に動かし、元の位置まで戻します。
- 右の足裏が浮かないようにして下さい。
- 特に右足の親指から土踏まず、踵(かかと)が浮き上がらないように注意して下さい。
- この運動をしても痛みがなくなってきたら、次の運動です。
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- 右の足裏をしっかりつけた状態で、左足で円を書くように動かします。
- まずは左回りからして下さい。左回りで痛みがなくなってきたら、右回りでして下さい。
- 左足の動きに右足がついていけるようになってきたら、少しずつ右足にも力を入れて、両足で動かすようにして下さい。
- 両足でできるようになったら、ステップ2に進みます。
- ステップ2 椅子に座って、右足でのトレーニング
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- 両足でしてきたことを右足だけで行います。
- 踵(かかと)が浮かないように、右の足裏をしっかりと板の上につけた状態で行って下さい。
- 右足を板の上にしっかり乗せた状態で動かせるようになったら、ステップ3に進みます。
- ステップ3 立った状態で、体重をかけて右足でのトレーニング
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- 必ず何かに手を添えて行って下さい。
- 立ってしっかりと右足に体重をかけて行います。
- 特に十分体重をかけて、右足を左右に動かせるようにして下さい。
このトレーニングは肉離れの予防にも効果的です。
是非、ケガをしにくいからだ作りに役立てていただきたいと思います。
つつじ野接骨院・鍼灸院では、インターネットからのご相談を24時間受け付けています。
捻挫に関するご相談、疑問点など、できるだけ個別に、的確にお答えいたします。
